FileNo.002 江津湖でペダルボート転覆事件
「こっちに来るな!」私は、大声でそう叫んだのをハッキリ覚えている。冬の冷たい江津湖を泳ぐハメになった・・・夢のようだが、夢じゃなかった・・・体験してしまった。
日時:1976年1月4日(日曜日)午後(当時中学3年)
概要:熊本水辺動物園の帰り、江津湖ボートハウスよりテント屋根付きのペダルボートを借り、江津湖遊覧を始めてまもまなく・・・転覆!
搭乗者:私(管理者)とY.N氏とM.S氏 3名。
要因:体重70キロのY.N氏のラフな行動が主な原因。
被害状況:Pボート屋根支柱部損壊。1名溺れかけるも幸い死傷者無し。
実況見聞:1976/1/4 15時00分00秒
- 15:00:00 Pボート乗船(進行方向に並列に3名着座)・江津湖中ノ島方面向け遊覧開始
- 15:10:00 Y.N氏「落ちたら怖いゴッコ」を始める。M.S氏中央で硬直状態。
- 15:15:00 Y.N氏左舷前方から船首をまたぎ、私のいる右舷へ回り込む。
- 15:16:00 M.S氏中央で依然硬直状態のまま、私は瞬間「こっちに来るな!」と叫ぶ。
- 15:16:10 Pボート右へグラっと傾斜する。
- 15:16:20 硬直状態のM.S氏の顔が「へのへのもへじ」になる。左舷後方が持ち上がる。
- 15:16:25 右舷前方より浸水が始まる。
- 15:16:30 右舷前方のY.N氏が屋根支柱を掴んだまま硬直状態。
- 15:16:35 ・・・ゆえに右傾斜に追い討ちをかけ、策を打てない。
- 15:16:40 出来れば手を放してくれると、転覆を免れる・・・そんな事を言うヒマが無い。
- 15:17:00 転覆
- 15:18:00 記憶が無い。(大変な事になった・・・という意識だけがある)
- 15:18:10 着ていた学生服が私の自由を奪う。水温は感じない。
- 15:18:20 水面までのびる藻が運動靴に絡み、体験した事のない恐怖を味わう。
- 15:18:30 水深は不明だが、両足は湖底に届いていない。
- 15:18:40 「これは死ぬ事になるかもしれない」と思い、泣きそうになる。
- 15:18:50 ・・・が命懸けになると、涙が出ない事に気付く。
- 15:19:00 気が付いたら、中ノ島岸に怪獣ザザーンのようにずぶ濡れで立っていた。
- 15:19:10 同じ付近に泳ぎ着いたM.S氏を確認する。Y.N氏が不明。
- 15:19:20 50メートル先の水面に船底を発見。
- 15:19:30 そこから距離を置いてY.N氏を発見。溺れかけていた。
- 15:19:40 「どうしよう」と右往左往・・・
- 15:19:50 ボートハウスのオヤジさんが平ボートで急行。
- 15:20:00 Y.N氏、助かる。
教訓1:Y.N氏とは、ボートに乗らない。
教訓2:Y.N氏は、あれ以来ボートに乗った事がない。
教訓3:Y.N氏は、長崎の寿司職人になり、あれから熊本に帰って来ない。
